先に結論を言います。リニューアルでは、検索から人が来ているページの URL はできるだけ変えず、なくなるページだけを、内容のいちばん近い新しいページへ 301 で転送します。まず今のサイトの URL を全部書き出し、「残す・転送する・消す」に仕分けた転送表を作ることから始めます。
URL が変わると、何が起きるか
ページの URL は、サイトの外にもたくさん残っています。検索結果、ほかのサイトからのリンク、ブックマーク、SNS の投稿、印刷物の QR コード。リニューアルで URL が変わると、これらがすべて「ページが見つかりません」に行き着きます。
検索での評価も、URL ごとに積み上がっています。URL が変わり、転送もしなければ、その評価はいったん失われます。リニューアルしたら検索からの訪問が減った、というご相談の多くは、ここに原因があります。
まず、今のサイトの URL を全部書き出す
私が最初にするのは、今のサイトにある URL の一覧づくりです。次のところから集めます。
- サイトマップ(WordPress なら /wp-sitemap.xml、SEO のプラグインを使っていれば /sitemap_index.xml など)
- WordPress の書き出し(管理画面の「ツール → エクスポート」)
- Search Console の「ページ」と「リンク」
- アクセス解析で、よく見られているページ
サイトマップに載っているのは、主なページだけということもあります。お問い合わせの確認画面、資料のダウンロード、終わったキャンペーンのページなど、サイトマップにない URL が外からリンクされていることもあるので、Search Console のデータとあわせて拾います。ブログや実績の一覧、カテゴリーごとの一覧まで数えると、思っていたより多くの URL があるものです。
残す・転送する・消す に分ける
集めた URL を、3つに仕分けます。
- そのまま残す
- 新しいサイトでも同じ URL で表示する。ブログの記事や実績のページなど、検索から人が来るページは、できるだけここに入れます。WordPress なら、パーマリンクの設定(/blog/記事名/ など)を今のサイトと同じ形にそろえれば、記事の URL はそのまま残せます。
- 転送する
- なくなるページ、ほかのページにまとめるページを、いちばん内容の近い新しいページへ 301 で転送する。
- 消す
- 転送先がなく、外からのリンクもないページ。消す前に、Search Console やアクセス解析で見られていないかを確かめます。
迷ったら転送しておいてください。転送して困ることは、まずありません。
転送表の例
リニューアルでよく出てくる転送の例です。旧 URL ごとに、いちばん内容の近い新しいページを選びます。
| 旧 URL | 転送先 | 理由 |
|---|---|---|
| /price/ /flow/ |
/service/ | 料金と制作の流れを、サービスのページにまとめた |
| /company/greeting/ | /company/ | 代表のあいさつを、会社案内の中へ |
| /category/info/ | /blog/category/news/ | カテゴリーの一覧の URL の形が変わった |
| /contact/confirm/ /contact/thanks/ |
/contact/ | 確認・完了の画面が URL を持たなくなった |
| /download/?id=12 | PDF の URL | ダウンロード用のプラグインをやめた |
| /campaign/2023-summer/ | 関連するサービスのページ | 終わったキャンペーン |
なくなるページを、何でもトップページへ転送するのは、私は勧めません。検索エンジンからは「ページが見つからない」のと同じように扱われることがあり、訪れた人も、探していた情報にたどり着けません。
日本語の URL と、入力の間違い
記事のタイトルがそのまま URL になっている(日本語の URL の)サイトはよくあります。リニューアルを機に英数字の URL にしたくなりますが、変えれば、そのぶん転送が必要になります。検索から人が来ている記事は日本語のまま残し、新しく書く記事から英数字にする、という分け方を私は勧めます。
URL に入力の間違いがあっても、同じ理由で、直さずに残すほうが安全です。直すなら、古い URL から新しい URL への転送を必ず設定してください。1Note 1日本語の URL には、見た目は同じでも濁点の書き方(中身の文字)が違うものが混ざっていることがあります。詳しくはサイトの引っ越しで画像が消える理由に書いています。
転送の設定
WordPress なら、転送の設定ができるプラグインを使うのが手軽です。サーバーの設定(.htaccess など)に書く方法もありますが、件数が多いと管理しづらくなります。
転送先を、サイトのアドレスを含めない形(/service/ のような書き方)で登録できるなら、私はそうしています。テスト環境で作った設定を本番へ移しても、書き換えずに済みます。
公開したら、すべての旧 URL を開いて確かめる
- 残したページは、同じ URL でそのまま表示されるか
- 転送したページは、301(恒久的な転送)で、狙った新しいページに着くか。302(一時的な転送)になっていないか(Google の説明では、恒久的な転送なら検索結果に新しい URL が、一時的な転送なら元の URL が出ます)
- 転送が何段も続いていないか(A → B → C ではなく A → C)
私は、最初に書き出した URL の一覧を、上から順に開いて確かめます。件数が多ければ、一覧を読み込んでまとめて確かめられる道具(Screaming Frog SEO Spider のリストモードなど)を使います。公開後は Search Console に新しいサイトマップを登録し、しばらくは「見つかりません」のページが出ていないかを見ていきます。
よくある質問
- 転送は、いつまで残しておけばいいですか?
- できるだけ長く残します。Google は、サイトを移したあとの転送を「できるだけ長く、一般には少なくとも1年」残すよう案内しています。
- ドメインも変える場合は、何が違いますか?
- やることは同じで、旧ドメインのすべての URL を、新しいドメインの対応するページへ転送します。あわせて Search Console のアドレス変更ツールで、移ったことを Google に伝えます。
リニューアルのご相談は、ウェブサイト制作のページからどうぞ。今のサイトの URL の洗い出しから、転送の設定と確認まで、私がお受けします。